⑤分銅の形状を決める
分銅には、いろいろな形状や特徴、また形状ごとに用意されている質量・等級や材質がありますので、利用者の使いやすさ、耐久性、価格などを考慮して決めていきます。
円筒型分銅
一般的に広く知られている形の分銅です。
主に精密なはかりや小型のはかりの点検・検査・校正に使用されます。
円盤型分銅
取扱が容易で、複数積み重ねることができ、使いやすい分銅です。
主に普及タイプや高精度タイプの電子天びんやはかりの点検・検査・校正に使用されます。
増おもり型分銅
ズレ防止の段・溝付きで、複数個積み重ねることができます。
主に下皿式( 吊下げ式) のはかりに使用します。増しおもりは、はかりと共に使用する目的で作られたもので、電子はかりの点検・検査には一般的に使用しません。
枕型分銅
握る部分があり、持ち運びが容易で積み重ねも簡単な実用的な分銅です。
主に大型のはかりの点検・検査・校正に使用されます。
板状分銅
板状の小質量(1mgから1g) の分銅です。
主にはかりの感度確認や精密なはかりの点検・検査・校正に使用されます。
以上のことをまとめると次の表になります。
<ひょう量6kg、目量0.1g の電子天びんの場合>
前の図の種類別分銅の質量・等級から、使用する1kg、2kg、5kg のF1 級分銅が用意されているのは、円筒型分銅と円盤型分銅ですから、この2 タイプから選ぶことになります。点検には、複数の分銅を組み合わせますので、積み重ねられる円盤型分銅が最適となります。
使用分銅 | 円筒型分銅 | 円盤型分銅 | 枕型分銅 | 板状分銅 |
---|---|---|---|---|
1kg F1 級 | 〇 | ◎ | × | × |
2kg F1 級 | 〇 | ◎ | × | × |
5kg F1 級 | 〇 | ◎ | × | × |
円筒型分銅と板状分銅には基準分銅型とOIML 型があります。
- ※基準分銅型は、これまで国内で長年使われていたタイプです。
- ※OIML 型は、OIML( 国際法定計量機関) の規格に基づいた形の分銅で、海外と関係がある場合はお勧めです。