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防爆とは?


防爆とは?

爆発性ガス蒸気雰囲気を生成するおそれのある危険場所で、電気機器から発生する火花や、高温によるガス蒸気の爆発・火災を防ぎ、電気機器を安全に使用することです。


防爆場所の分類

1種危険場所

1種危険場所とは、通常の状態において、危険雰囲気を生成するおそれがある場所をいいます。電気機器の選定においては、内圧防爆構造が原則であり耐圧防爆構造の製品をおすすめします。

2種危険場所

2種危険場所とは、異常な状態において、危険雰囲気を生成するおそれがある場所をいいます。電気機器の選定においては、安全増構造をおすすめします。

0種危険場所

0種危険場所とは、危険雰囲気が通常の状態において、連続して又は長時間持続して存在する場所をいいます。電気機器類等の使用は避けることがよいとされています。


防爆構造の種類

防爆構造にはその電気機器のクラス分けに応じて使用可能なガスの種類が定められ、6種類の構造に分類されています。当サイトでは代表的な4種類について説明します。

本質安全防爆構造

本質安全防爆構造とは、正常時および事故発生時に発生する電気火花、または高温部により爆発性ガスに点火しないことが、公的機関において試験その他によって確認された構造をいいます。

耐圧防爆構造

耐圧防爆構造とは、全閉構造で内容内部で爆発性ガスの爆発が起こった場合に、容器がその圧力に耐え、かつ、外部の爆発性ガスに引火するおそれのないようにした構造をいいます。

安全増防爆構造

安全増防爆構造とは、正常時及び事故時に発生する電気火花、又は、高温部を生じてはならない部分にこれらが発生するのを防止するように、構造上及び温度上昇について、特に安全度を増加した構造をいいます。

内圧防爆構造

内圧防爆構造とは、容器の内部に保護気体(清浄な空気入又は、不活性ガス)圧入して内圧を保持することによって爆発性ガスが侵入するのを防止した構造をいいます。


表記方法

①防爆構造を表す記号

②防爆構造の種類

記号 防爆構造の種類
d 耐圧防爆構造
o 油入防爆構造
p 内圧防爆構造
e 安全増防爆構造
i 本質安全防爆構造
s 特殊防爆構造

※i には、試験の際の安全率のとり方により ia・ib があります。 通常 i だけの場合には ia を意味します。 安全率は ib より ia が高くなります。

③適用できる電気機器のグループ

分類 適用できる電気機器のグループ
耐圧防爆構造
本質安全防爆構造
内圧防爆構造
安全増防爆構造
油入防爆構造
A ⅡA ⅡB ⅡC
B - ⅡB ⅡC
C - - ⅡC

ガスの種類例:ⅡA(プロパン)、ⅡB(エチレン)、ⅡC(アセチレン・水素)

④発火温度

発火温度 温度等級
450℃を超えるもの T1 T2 T3 T4 T5 T6
300℃を超えるもの - T2 T3 T4 T5 T6
200℃を超えるもの - - T3 T4 T5 T6
135℃を超えるもの - - - T4 T5 T6
100℃を超えるもの - - - - T5 T6
85℃を超えるもの - - - - - T6

⑤EPL

Ga 極めて高い保護レベルを持つ機器で、0 種危険場所で使用可
Gb 高い保護レベルを持つ機器で、第一種危険場所で使用可
Gc 強化した保護レベルを持つ機器で、第二種危険場所で使用可

機器保護レベルを表します。

国際電気基準会議(IEC)の国際企画による爆発性ガスの分類

代表的な爆発性ガスのグループ及び温度等級

グループ温度等級 T1 T2 T3 T4 T5
ⅡA アセトン
アンモニア
一酸化炭素
酢酸エチル
トルエン
プロパン
ベンゼン
メタノール
メタン
LPガス
エタン
酢酸
エタノール
i-ブタン
1-ブタノール
酢酸イソペン
チル
無水酢酸a
ガソリン
n-ヘキサン
アセトアルデヒド
ⅡB 都市ガス エチレン
エチレンオキシド
エチルエーテル
ⅡC 水素 アセチレン 二硫化炭素

グループの分類

耐圧防爆構造

グループ ガス又は蒸気の最大安全すきまの範囲(単位:mm)
ⅡA 0.9以上
ⅡB 0.5〜0.9未満
ⅡC 0.5以下

本質安全防爆構造

グループ ガス又は蒸気の最小点火電流比の範囲
ⅡA 0.8超
ⅡB 0.45〜0.8以下
ⅡC 0.45未満

温度等級の分類

温度等級 最高表面温度の範囲(単位:℃)
T1 300超〜450以下
T2 200超〜300以下
T3 135超〜200以下
T4 100超〜135以下
T5 85超〜100以下
T6 85以下